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一三一 「父に争子あれば、則ち身不義に陥らず。故
に不義に当つては、則ち子は以て父に争はざるべか
らず」と。故に人の父たる者は、此の子あるを願は
み
ざるべからざるなり。此の子あれば、則ち躬君子と
為る。此の子なければ、則ち上智にあらざるよりは、
ひつ ●しようぜん
大凡そ夷狄禽獣に陥るや必せり。之を思うて悚然た
り。
「父有争子、則身不陥於不義、故当不義、
則子不可以不争於父、」故為人父者、不
可不願有此子也、有此子、則躬為君子、
無此子、則自非上智、大凡陥於夷狄禽獣
必矣、思之悚然、
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●争子。親の不
義不正を諫止す
る子のこと。此
数言孝経に見ゆ。
●悚然。ぞつと
恐れる。
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