● ●ねんだいりう ●ほこ
一三三 張楊園、念台劉子に学ぶ、而て戈を以て室に
● けいかう
入るものなり。何となれば、良知を以て直情径行と
あゝ もと ●
なせり。吁、何ぞ其の言の悖れるや。それ良知は不
がく りよ
学不慮の良心のみ、性なり、情にあらざるなり。而
て直情は乃ち性にあらず。然るに性の良を以て直情
ねん かゝ
となすは何ぞや。これ全く愛悪の念に係る、故に其
ふ こゝ
の誣一に此に至る。慎しまざるべけんや。
張揚園学於念台劉子、而以戈入室者也、何者、
以良知為直情径行、呼、何其言之悖也、夫良
知、不学不慮之良心耳、性也、非情也、而直情
乃非性矣、然以性之良為直情何也、是全係
乎愛悪之念、故其誣一至于此、可不慎哉、
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●張揚園。清の
張履祥、揚園と
号す。
●念台。明末の
陽明学者劉宗周、
念台又山と号
す、国事に勤め
て餓死す。
●戈を以て云々。
其の師に背くを
いふ。
●直情径行。情
のおもむく生ま
に、勝手に行ふ
こと。
●不学不慮。孟
子尽心上篇の語。
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