山田準『洗心洞箚記』(本文)107 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.12.11

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『洗心洞箚記』 (本文)

その107

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

    こ  うらすこ 一三四 這の裏微しく禍福生死の念在るあらば、則ち       格物の物の字、決して分暁明白なる能はざるなり。                をは  もし其の念なくば、則ち心解し了る。   這裏微有禍福生死之念在焉、則格物之物字、決   不分暁明白也、如無其念、則心解了、    りくしようざん     こせい れい  しんどう 一三五 陸象山先生、嘗て声窓櫺を振動するを聞き、    かつ    さと        さと       亦た豁然として覚るあり。これ其の覚りし所以を道  はず。然れども其の義を考ふるに、中は即ち虚な        ひゞき     てつ  り、故に其の響窓紙に徹して、窓紙振動す。若し先  づ物あり其の中を塞がば、即ち虚にあらず。虚にあ              いづく  らざれば則ち其の響なし、安んぞ窓櫺を振動するこ            さとり    こゝ  とこれ有らん。先生の覚は、葢し此にあるか。   陸象山先生、嘗聞声振動窓櫺、亦豁然有覚、   此不其所以覚、然考其義中即虚、故其   響徹窓紙、窓紙振動、若先有物塞乎其中、即   非虚、非虚則無其響矣、安振動窓櫺之有、先   生之覚、葢在此歟、



這の裏。心の
中。

物の字云々。
物は事なり。









陸象山。宋の
陸九淵、前出。

櫺。窓にとり
つける「レンジ」。







此。虚を指す。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その106/その108

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