● い
一四六 子弟、文文山正気の歌に謂はゆる、鬼神壮烈
しん
に泣くの義を問ふ。曰く、人真に君に忠するの心あ
がう ● すゐし へう
り、而て一毫人欲の私無き者は、孔明の出師の表を
いんきう すなは
読めば必ず飲泣す。便ちこれ良知の感動なり。良知
きしん なんぢ
は即ち鬼神なり、何ぞ別に鬼神あらんや。鳴呼、爾
ちとく
等亦た忠なり、則ち必ず鬼神の泣を知得せん。
子弟問文文山正気歌所謂鬼神泣壮烈義、曰、
人真有忠君之心、而無一毫人欲之私者、読
孔明出師表必飲泣矣、便是良知之感動也、良知即
鬼神、何別有鬼神乎哉、鳴呼、爾等亦忠矣、則
必知得鬼神之泣、
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●文文山。宋末
の忠臣文天祥、
文山と号す、元
に囚はれ正気歌
を作る。
●孔明。三国の
時蜀漢の賢臣、
姓は諸葛、出師
表を上つて魏を
征す。
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