山田準『洗心洞箚記』(本文)122 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.2.27

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『洗心洞箚記』 (本文)

その122

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

         つめた 一五〇 水の性本と寒し、火其の下に在れば、則ち沸  ふつ\/      ゆ      をは  沸然として化して湯となり了る。其の時に当つて、         かん  水ありと雖も、寒絶えて無し。人の性は本と善なり、             ちやう\/  物其の外を誘へば、則ち々然として化して悪とな  り了る。其の時に当つて、人存すと雖も、善或は無                     いぜん  し。然れども其の火を去れば、則ち寒復た依然たり、      こば        げんざい  其の物を拒めば、則ち善亦た現在す。もし火を去る             せうこ  こと早からざれば、則ち焦枯して水と性と倶に滅ぶ。    こば     げん  物を拒むこと厳ならざれば、則ち壊乱して人と性と  倶に亡ぶ。是れ当然の理なり。吾が輩宜しく性を失       くふう  はざるの工夫を用ふべきのみ。   水性本寒矣、火在其下、則沸沸然化為湯了、当   其時、水雖有、寒絶無也、人性本善矣、物誘其   外、則々然化為悪了、当其時、人雖存、善   或無也、然去其火、則寒復依然、拒其物、則   善亦現在、如去火不早、則焦枯而水与性倶滅矣、   拒物不厳、則壊乱而人与性倶矣、是当然之理也、   吾輩宜性之工夫也已矣、








々然。迷ひ
狂ふ貌。



●依然。本のま
ま。


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