山田準『洗心洞箚記』(本文)13 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.30

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『洗心洞箚記』 (本文)

その13

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

            そな 一八 孟子の万物皆我れに備はるの説は、心太虚に帰             いづく   する者にあらずんば、安んぞ分明に其の義に通ぜ   んや。    孟子万物皆備於我之説、不心帰乎太虚、    安分明通其義哉、                        めつ 一九 生を求めて以て仁を害するなしと。夫れ生は滅   あり、仁は太虚の徳にして、万古不滅なるものな               す     めつ   り。万古不滅なるものを舍てて、滅あるものを守      まど                 るは、惑ひなり。故に志士仁人は、彼れを舍て此   れを取る、誠に理あるかな。常人の知る所にあら   ざるなり。    無生以害仁、夫生有滅、仁太虚之徳、而    万古不滅者也、舍万古不滅者、而守滅者、    惑也、故志士仁人、舍彼取此、誠有理哉、非    常人所知也、



孟子尽心篇に
出づ。












論語。衛霊公
篇に「志士仁人
は生を求めて以
て仁を害するこ
となし」とあり。

生を捨てゝ義
を取る。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その12/その14

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