● そな
一八 孟子の万物皆我れに備はるの説は、心太虚に帰
いづく
する者にあらずんば、安んぞ分明に其の義に通ぜ
んや。
孟子万物皆備 於我 之説、不 心帰 乎太虚 者 、
安分明通 其義 哉、
● めつ
一九 生を求めて以て仁を害するなしと。夫れ生は滅
あり、仁は太虚の徳にして、万古不滅なるものな
す めつ
り。万古不滅なるものを舍てて、滅あるものを守
まど ● す
るは、惑ひなり。故に志士仁人は、彼れを舍て此
れを取る、誠に理あるかな。常人の知る所にあら
ざるなり。
無 求 生以害 仁、夫生有 滅、仁太虚之徳、而
万古不滅者也、舍 万古不滅者 、而守 有 滅者 、
惑也、故志士仁人、舍 彼取 此、誠有 理哉、非
常人所 知也、
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●孟子尽心篇に
出づ。
●論語。衛霊公
篇に「志士仁人
は生を求めて以
て仁を害するこ
となし」とあり。
●生を捨てゝ義
を取る。
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