●たうせき ●ぐうげん
一五九 盗跖篇は、固と寓言なりと雖も、其の孔子に
●かんろん
対し敢論せるの言言は、是れ皆古今常人言はざるの
せき
深情にして、而て跖特に之に代つて言へる者と為す
あま
のみ。而て世の教を聖賢に受くるを甘んぜざる者は、
●もうさう い
全く此にあり。昔より伝ふ、蒙荘能く人情を道ふと。
誠に虚言にあらざるなり。
盗跖篇、雖固寓言、其対孔子敢論之言言、是
皆古今常人不言之深情、而為跖特代之言者耳、
而世之不甘受教於聖賢者、全在此矣、自昔
伝蒙荘能道人情、誠非虚言也、
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●盗跖篇。荘子
雑篇の中に盗跖
篇あり。
●寓言。或る意
味を寓せた作り
話。寓話に同じ。
●敢論。勇敢に
論する。
●蒙荘。荘子は
蒙県の人。故に
云ふ。
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