山田準『洗心洞箚記』(本文)18 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.2.22

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『洗心洞箚記』 (本文)

その18

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

           ふくわい       か  二六 血気は死に随うて腐壊散滅す。夫の浩気の如き   は、死に随つて腐壊散滅せず。聖賢俊傑の道徳功        かく            へ   烈、宇宙に赫然として、年を経て益々光輝あり。                       此れ何物ぞ、即ち是れ浩然の気なり、凡庸に於て              ● ●ふんぴ   は決してこれなし。血肉漢憤せざるべからざる      じんぜん         ゆ   なり。荏苒歳とともに逝き、虫犠草木の朽腐に遠        ほと   まれ   からざるは幾んど希なり。大哀にあらざらんや、                  きん        ゆるかせ   大恨にあらざらんや。之を思へば勤の一字、豈忽   にすべけんや。    血気随死而腐壊散滅、如夫浩気、不死而    腐壊散滅、聖賢俊傑之道徳功烈、赫然乎宇宙、    経年益光輝焉、此何物、即是浩然之気也、於    凡庸決無之、血肉漢不也、荏苒与    歳倶逝、不虫蟻草木朽腐畿希、非大哀耶、    非大恨耶、思之、勤一字、豈容忽乎哉、



●浩気。浩然の
正気。

●凡庸。つまら
ぬ者。

●漢。壮夫。

●憤。論語に
見ゆ。

●荏苒。ぐづぐ
づして月日を過
す。



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