●こく
三七 方寸の虚は、太虚と刻も通ぜざるべからざる
へだ せい
なり。もし隔たりて通ぜずば、則ち生人にあらざ
いま
るなり。何となれば、今物を以て口中を塞げば、
とざ
即ち方寸の虚閉されて呼吸絶え、忽ち死人と為る。
こく
故に方寸の虚は、刻も太虚に通ぜざるべからざる
●
なり。是れ他なし、太虚は即ち心の本体たるを以
ての故なり。亦た何ぞ疑はんや。
方寸之虚、与 太虚 不 可 刻不 通也、如隔而
不 通焉、則非 生人 也、何者、今以 物塞 乎
口中 、即方寸之虚閉、而呼吸絶矣、忽為 死
人 、故方寸之虚、不 可 刻不 通 於太虚 也、
是無 他、以 太虚即心之本体 故也、亦何疑也
哉、
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●刻。一刻寸秒
といふ如し。
●人は天にして、
人の心は天の太
虚を本根本体と
す。
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