山田準『洗心洞箚記』(本文)189 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.9.4

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『洗心洞箚記』 (本文)

その189

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

下 巻訳者註

                  四一 太虚は世界を容れ、世界は太虚に容れらる。    もの               しやうがい  而て物は千変万化するも、未だ嘗て太虚を障礙す             わづらひ  る能はず。則ち聖人の心量累無きこと、是に於て  か見るべし。   太虚容世界、世界容於太虚、而物千変万   化、未嘗能礙於太虚、則聖人之心量無   点、於是乎可見矣、                 つう 四二 方寸の虚は、口耳の虚と本と通一なり。而て                   さい  口耳の虚は即ち亦た太虚と通一にして際無し。四    はうくわつ        がんよう     そくほ  海を包括し、宇宙を含容して、捉捕すべからざる                 ものなり。大を語れば天下能く載するなきの義、    ぶんげう      ま        ふ  甚だ分暁にして、手の舞ひ、足の踏むを覚えず。   方寸之虚、与口耳之虚本通一、而口耳之虚、   即亦与太虚通一、而無際焉、包括四海、   含容宇宙、不捉捕者也、語大天下莫   能載焉之義甚分暁、不手舞足踏




物。世界の事
物。

未だ云々。太
虚の邪魔になら
ぬ。

聖人の心量云
々。聖人の心に
は何物もこだは
らぬ。






通一。通じて
一となること。

包括。つゝみ、
くゝる。

道の大きい点
を言へば、天下
を載せきらぬと
の意、其の語中
庸に見ゆ。

歓喜の義、其
の語、礼記の楽
記に出づ。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その188/その190

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