山田準『洗心洞箚記』(本文)190 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.9.5

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『洗心洞箚記』 (本文)

その190

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

下 巻訳者註

                     げんかう 四三 太虚は空にあらず、即ち春夏秋冬の気、元享   りてい     へんぷじゆうまん  利貞の理、布充満す。而て物に著はるれば則ち                    愚夫婦の心眼と雖も、猶之を視て之を識るす。未  だ物に著はれざれば、則ち大人君子も敢て眼に之       い         もく  を見ると道はず、而て黙して知るのみ。黙して知                     あら  るの理気は、則ち愚夫婦の心眼の及ぶ所に非ざる  なり。然らば則ち空にあらざるやと。曰く、空に  あらず。人欲を去り、天理を復して、然る後始め   こ     まう  て是の言の妄にあらざることを知らん。   太虚非空、即春夏秋冬之気、元享利貞之理、   布充満焉、而著乎物則雖愚夫婦之心眼、   猶視之而識之、未於物、則大人君子不   敢道眼見之、而黙而知焉耳、黙而知之理気、   則非愚夫帰心眼之所及也、然則非空乎、曰、   非空矣、去人欲天理、然後始知是言   之非妄也、



元享利貞。易
の乾の卦の四徳。

愚夫婦の心眼
云々。中庸に、
道の著はれたる
処を、夫婦の愚
    あづ
も、以て与かり
知るべしといへ
り。




是の言。太虚
は空にあらずと
の言。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その189/その191

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