●げんかう
四三 太虚は空にあらず、即ち春夏秋冬の気、元享
りてい へんぷじゆうまん
利貞の理、布充満す。而て物に著はるれば則ち
● し
愚夫婦の心眼と雖も、猶之を視て之を識るす。未
だ物に著はれざれば、則ち大人君子も敢て眼に之
い もく
を見ると道はず、而て黙して知るのみ。黙して知
あら
るの理気は、則ち愚夫婦の心眼の及ぶ所に非ざる
なり。然らば則ち空にあらざるやと。曰く、空に
あらず。人欲を去り、天理を復して、然る後始め
●こ まう
て是の言の妄にあらざることを知らん。
太虚非空、即春夏秋冬之気、元享利貞之理、
布充満焉、而著乎物則雖愚夫婦之心眼、
猶視之而識之、未著於物、則大人君子不
敢道眼見之、而黙而知焉耳、黙而知之理気、
則非愚夫帰心眼之所及也、然則非空乎、曰、
非空矣、去人欲復天理、然後始知是言
之非妄也、
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●元享利貞。易
の乾の卦の四徳。
●愚夫婦の心眼
云々。中庸に、
道の著はれたる
処を、夫婦の愚
あづ
も、以て与かり
知るべしといへ
り。
●是の言。太虚
は空にあらずと
の言。
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