山田準『洗心洞箚記』(本文)191 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.9.6

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『洗心洞箚記』 (本文)

その191

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

下 巻訳者註

   ほこ        む び おだや 四四 伐れば則ち夢寐穏かならず、是れ乃ち功・心   わづら                  を累はすなり。良知を致せば、則ち爰んぞ区区た     ほこ       まうしはん  る功を誇るに足らんや。孟之反の如き者は、奔つ   でん  て殿するの一事に於ては、良知を欺かざるの大丈                   ゆづ  夫と謂ふべし。故に夫子其の勇にして譲るを取る。                        文章筆墨の小技を誇る者は、宜しく此の章及び註   しや  中謝氏の説を見て以て恥づるを知るべし。   伐則夢寐不穏、是乃功累心也、致良知、則   爰足区区功哉、如孟之反者、於奔而殿   之一事、可良知之大丈夫矣、故   夫子取其勇而譲、誇文章筆墨之小技者、宜   見此章及註中謝氏之説以知恥矣、


伐れば云々。
威張り、誇れば、
寐ても心落ちつ
かず。

区々。些少。

魯の孟之反が
味方の敗軍に殿
(しんがり)し
て、馬の進まぬ
ためといふ、孔
子其の伐らぬを
褒む、論語の雍
也篇に見ゆ。

註中云々。朱
子の註に、謝良
佐の説を引いて
人を凌ぐ心なく
ば、天理明かに
人欲消ゆるの意
をいふ。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その190/その192

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