●ほこ む び おだや
四四 伐れば則ち夢寐穏かならず、是れ乃ち功・心
わづら ●く
を累はすなり。良知を致せば、則ち爰んぞ区区た
ほこ ●まうしはん
る功を誇るに足らんや。孟之反の如き者は、奔つ
でん
て殿するの一事に於ては、良知を欺かざるの大丈
ゆづ
夫と謂ふべし。故に夫子其の勇にして譲るを取る。
●
文章筆墨の小技を誇る者は、宜しく此の章及び註
しや
中謝氏の説を見て以て恥づるを知るべし。
伐則夢寐不 穏、是乃功累 心也、致 良知 、則
爰足 誇 区区功 哉、如 孟之反 者、於 奔而殿
之一事 、可 謂 不 欺 良知 之大丈夫 矣、故
夫子取 其勇而譲 、誇 文章筆墨之小技 者、宜
見 此章及註中謝氏之説 以知 恥矣、
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●伐れば云々。
威張り、誇れば、
寐ても心落ちつ
かず。
●区々。些少。
●魯の孟之反が
味方の敗軍に殿
(しんがり)し
て、馬の進まぬ
ためといふ、孔
子其の伐らぬを
褒む、論語の雍
也篇に見ゆ。
●註中云々。朱
子の註に、謝良
佐の説を引いて
人を凌ぐ心なく
ば、天理明かに
人欲消ゆるの意
をいふ。
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