げうかう あ さりふ とうかう
五〇 暁行して忽ち雨に値ひ、而て蓑笠なく、頭項
しゆきやく いた うるほ
より手脚に迄るまで尽く霑ふ。是の時心之が為め
● うるほ
に動く、即ち方寸の虞も亦た復た霑へるなり。動
●
かざれば則ち太虚の霑はざると乃ち一般なり。此
ぬ さと
れに因つて又た水に入つて濡れざるの理を悟る。
暁行忽値雨、而無簑笠、頭項迄手脚尽霑、
是時心為之動、即方寸之虚亦復霑也、不動則
与太虚之不霑乃一般、因此又悟入水不濡
之理、
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●心動。落胆し、
又た残念に思ふ
など、皆心動く
なり。
●心は太虚なれ
ば、心霑はずば、
太虚霑はず。
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