山田準『洗心洞箚記』(本文)2 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.19

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『洗心洞箚記』 (本文)

その2

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

 洗心洞箚記上   中斎先生著    門人 松本乾知 点               松浦誠之 校               但馬守約       かみ     さう\/       天は特に上に在る蒼蒼たる太虚のみならざるなり。        ちくちゅう                    いは   石間の虚、竹中の虚と雖も、亦た天なり。況んや   らうし    こくしん   老子云ふ所の谷神をや。谷神とは人心なり。故に      めう                 けん   人心の妙天と同じ。聖人に於て験すべし。常人は          いづく      かた   則ち虚を失ふ、焉んぞ之を語るに足らんや。    天不特在上蒼蒼太虚已也、雖石間虚、竹中虚、    亦天也、況老子所云谷神乎、谷神者、人心也、故    人心之妙与天同、於聖人験矣、常人則失虚、    焉足之哉、

洗心洞箚記。洗
心は易の繋辞に
「聖人此れを以
て心を洗ふ」と
あるに取る、洞
は白鹿洞などの
洞にて、塾舎の
義。箚記(サツ
キ)は札記。


太虚。太空な
り、学問上には
虚霊の義、宋の
張横渠以来盛に
之を論ず。

谷神。老子道
徳経に見ゆ、虚
無の神。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その1/その3

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