山田準『洗心洞箚記』(本文)3 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.20

玄関へ

大塩の乱関係史料集目次


『洗心洞箚記』 (本文)

その3

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

  くかくがい    すなは        躯殻外の虚は便ち是れ天なり。天は吾が心なり。        はうがん        こゝ     さと   心は万有を葆含すること、是に於て悟るべし。故   に血気ある者は、草木瓦石に至るまで、其の死を    み     さいせつ         きくわい   視、其の摧折を視、其の毀壊を視れば、則ち吾が              心を感傷せしむ。本と心中の物たるを以ての故な         よく        ふさ        こゝろ   り。若し先づ慾あつて心を塞けば、則ち心虚にあ                   らず。虚にあらざれば、則ち頑然たる一小物にし                 すなは こつにく     ぶん   て、而て天体にあらざるなり。便ち骨肉と既に分   かく  をは   隔し了る、何ぞ況や其の他をや。之を名づくるに               小人を以てす、亦た理ならずや。    躯殻外之虚、便是天也、天者、吾心也、心葆    含万有、於是焉可悟矣。故有血気者至草    木瓦石、視其死、視其摧折、視其毀壊、    則令傷吾心、以本為心中物故也、若先    有慾而塞心、則心非虚、非虚則頑然一小物、    而非天体也、便与骨肉既分隔了、何況其他    耶、名之以小人、不亦理乎、



躯殻。肉体。


天の虚霊は吾
心の虚霊。







頑然云々.知
覚なき頑然たる
我は、天体が肉
体を離れ了る。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その2/その4

大塩の乱関係史料集目次

玄関へ