まなこ ●はんくわん
五四 眼を閉ぢて之を反観すれば、則ち方寸の虚も
●はうくわん
亦た春夏秋冬のみ。眼を開いて之を放観すれば、
則ち天の太虚も亦た仁義礼智のみ。天人合一疑ひ
無し。
閉眼反観之、則方寸之虚亦春夏秋冬焉耳、
開眼放観之、則天之太虚亦仁義礼智焉耳、
天人合一無疑矣、
●さまた
五五 雨に障げらるるを知らずして、而て人と約す
すなは ●
る所の処に到るは、便ち是れ命を知るなり。もし
先づ雨ふらんとするを卜して到らざれば、便ち是
●ぼく
れ命を知らざるなり。夫れ君子の命と云ふは、卜
ぜい
筮及び世俗云ふ所の命にはあらざるなり。道を礼
する者にして後能く之を知らん。
不知障乎雨、而到於与人所約処、便最
知命也、如先卜将雨而不到焉、便是不知
命也、夫君子之云命者、非卜筮及世俗所云
之命者也、礼道者而後能知之、
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●反親。我身に
かへして観る、
即ち内観。
●放観。眼を放
つて、隈なく観
る。
●障、邪魔され
る、苦しめられ
る。
●雨を心配して
約束を違へるは、
人の行ふべき正
しき命を知らぬ
なり。
●卜筮。うらな
ひ、亀に卜、蓍
に筮といふ。
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