● こ うら
三〇 仁を指して這の裏枝葉花実を具ふと曰はゞ、則
●しきよ
ち人必ず信ぜず。卵を指して這の裏羽冠嘴距を具
ふと曰はば、則ち人必ず信ぜず。而て又た大樹を
● とうてつ のこ
指して是れ最初の仁精、其の本末に透徹して遺さ
ざる者なりと曰はば、人亦た疑ふ。老を指して、
ゆうがふ
是れ最初の卵精、其首尾に融洽して遺さざる者な
●
りと曰はば、人亦た疑ふ。是を以て中人以下には
つ さと
上を語ぐべからざるの旨を喩るべきなり。
指仁曰這裏具枝葉花実、則人必不信焉、指
卵曰這裏具羽冠嘴距、則人必不信焉、而又
指大樹曰是最初之仁精、透徹其本末而不
遺著也、人亦疑焉、指老曰是最初之卵精、
融洽其首尾而不遺著也、人亦疑焉、以是
可喩中人以下不可語上之旨也、
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●仁。果実の核
(サネ)。
●嘴距。「くちば
し」と「けづめ」。
●仁精。種子。
●論語雍也篇に
見ゆ |