山田準『洗心洞箚記』(本文)23 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.4.29

玄関へ

大塩の乱関係史料集目次


『洗心洞箚記』 (本文)

その23

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

      こうさいきりん せんやく        ひと 三二 寸魚の口腮・鱗・潜躍は、大鯉と斉し。小花    がく た ずゐ     へん   の蕚為り蕊為り、片為り、香為るは、猶牡丹に類              まさ    する有り。識者此に於て当に小を語れば天下よく                     破る莫きの精微を知るべし。故に三千の儀、一も   缺ぐべからざるものなり。聖人は天地と徳を合は        す、郷党の細微に於て尤も見るべし。    寸魚之口腮鱗潜躍、与大鯉斉焉、小花為蕚    為蕊、為片為香、猶有於牡丹、識者於    此当小天下莫能破焉之精微矣、故三千    之儀、一不缺者也、聖人与天地徳、於    郷党之細微、尤可見矣、 三三 是を知り、非を知り、善を知り、悪を知る、是         せう   れ乃ち良知の照にして、良知の体にあらざるなり。                     陽明先生特に意欲ある者の為めに権りに之を言へ   るなり。    知是知非、知善知悪、是乃良知之照、而非    良知之体也、陽明先生特為意欲権言之    也、

腮。魚のあぎ
と。

●。ひれ。

●蕚。花のうて
な。

●蕊。しべ。

●小を語云々。
小の中に総て大
の機関が具はる。

●三千。中庸に
威儀三千の語あ
り。

●論語郷党篇に、
孔子に関する細
微の事を記す。









●王子は「良知
は常に覚り常に
照らす」などい
うて体と照とを
合一す。

●権言の意、中
斎先生は、体に
は何物も無しと
の意に出づ。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その22/その24

大塩の乱関係史料集目次

玄関へ