一〇〇 小程子曰く、「学なるものは人をして内に
求めしむるなり。内に求めずして、而て外に求む
るは、聖人の学にあらざるなり。何をか外と謂ふ、
●
文を以て主と為す者是れなり。学なるものは、人
をして本を求めしむるなり。本を求めずして、而
て末を求むるは、聖人の学にあらざるなり。何を
●しやうりやく どうい と
か末と謂ふ、詳略を考へ、同異を採る者是れなり。
是の二者は、皆身に益なし、君子は学ばざるなり」
●せい
と。程子の此等の説は、陽明先生の精一の学と異
なる無し。学者宜しく心を平らかにし以て之を見
るべきなり。
小程子曰、「学也者、使人求於内也、不求
於内、而求於外、非聖人之学也何謂外、
以文為主者、是也、学也者、使人求於本
也、不求於本、而求於末、非聖人之学
也、何謂末、考詳略、採同異者、是也、
是二者、皆無益於身、君子弗学也、」
程子此等之説、与陽明先生精一之学無異矣、
学者宜平心以見之也、
|
●文。文字章句、
即ち訓詁学。
●学説の詳略を
考察し、同異を
採択す、即ち考
据学。
●精一の学。書
経大禹謨の堯舜
伝授と称する、
惟精惟一に本づ
き、人心に精し
く吟味し、道心
に合致する学。
|