●きんふう かんせい
三六 功名富貴は錦覆の陥 なり。心虚なれば則ちよ
く見て之を避く。虚ならざれば、則ち視て見えず、
踏みて死する者少なからず。鳴呼虚なるかな、虚
なるかな。
功名富貴、錦覆陥 也、心虚則能見以避 之、
不 虚則視而不 見、踏而死者不 少矣、鳴呼、
虚哉虚哉、
三七 春夏秋冬は太虚より来り、以て万物に終始して、
循環して息まず、毫も跡なきなり。仁義礼智は此
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れと一般なり。故に心虚なれば則ち之を天と謂ふ、
大言にあらざるなり。
春夏秋冬、自 太虚 来、以終 始万物 、而循環
不 息、毫無 跡也、仁義礼智与 此一般、放心虚
則謂 之天 、非 大言 也、
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●錦覆の陥 。
錦もて覆へる、
人を迷はすおと
し穴。
●一般。同様の
意
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