三八 眼を開き天地を俯仰して以て之を観れば、則ち
じようせき
壌石は即ち吾が肉骨なり、草木は即ち吾が毛髪な
り、雨水川流は即ち吾が膏血精液なり、雲煙風籟
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は即ち吾が呼吸吹嘘なり、日月星辰の光は即ち吾
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が両眼の光なり、春夏秋冬の運は即ち吾が五常の
運なり、而て太虚は即ち吾が心の蘊なり。鳴呼人
七尺の躯、而かも天地と斉しきこと乃ち此の如し、
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三才の称豈徒然ならんや。宜しく気質を変化して
以て太虚の体に復るべきなり。
開眼俯仰天地以観之、則壊石即吾肉骨、草
木即吾毛髪、雨水川流、即吾膏血精液、雲煙風
籟、即吾呼吸吹嘘、日月星辰之光、即吾両眼之
光、春夏秋冬之運、即吾五常之運、而太虚即吾
心之蘊也、鳴呼、人七尺之躯、而与天地斉乃
如此、三才之称、豈徒然哉、宜変化気質、
以復太虚之体也、
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●吹嘘。吹は呼、
嘘は吸。
●五常。仁義礼
智信。
●三才。天地人
なり、易の繋辞
伝に出づ。
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