● そし
四五 荘子未だ嘗つて春夏秋冬を毀らず、其の太虚よ
そし
り出でて偽らざるを以てなり。而て仁義礼智を毀
●
るは、其の太虚より出でずして真ならざるを以て
なり。其の太虚より出でずして真ならざれば、則
● ● は
ち仁義礼智と雖も取るに足らず。孟子の五覇を貶
するも亦た同一意なり、而かも豈概して荘説を非
とすべけんや。此れ心を平らにして学を好む者に
ぎ
あらざれば、ともに之を議し難きなり。
荘子未 嘗毀 春夏秋冬 、以 其自 太虚 出焉而
不 偽也、而毀 仁義礼智 、以 其不 自 太虚 出
焉而不 真也、雖 其不 自 太虚 出 焉而不 真、
則仁義礼智 不 足 取、孟子貶 五覇 亦同一意、
而豈可 概非 荘説 哉、此非 平 心而好 学者 、
難 与議 之也、
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●荘子。名は周、
周の戦国時代、
荘子の著あり。
●矯飾より出づ
る仁義。
●雖。本文、こ
の字、仁字の上
にあるべし。
●五覇。斉桓公、
晋文公、宋襄公、
楚荘王、秦穆公。
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