●こりよ ひ き ばん
五五 胡虜曰く、皮毛を衣、畜牧を事とす、蕃性の便
とする所、英雄の生ずる、当に王覇たるべきのみ、
きんき まこ
何ぞ錦綺を為さんと。是の言固とに壮なり。人を以
●さいこん か
て言を廃せず、学者其の意を師とし、菜根を咬み、
道理を明らかにするは、人性の当に為すべき所。丈
夫の業は、聖賢を惟だ是れ期せんのみ。何ぞ富貴利
うらや
禄をこれ羨まん。
胡虜曰、衣皮毛、事畜牧、蕃性所便、英雄之
生、当王覇耳、何錦綺為、是言固壮矣、不以
人廃言、学者師其意、咬菜根、明道理、人
性所当為、丈夫之業、聖賢惟是期耳、何富貴利
禄之羨、
五六 良知を致さずんば、則ち仁決して熟せざるなり。
不致良知、則仁決不熱也、
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●胡虜。えびす
の人。
●咬菜根。明の
汪信民曰ふ、「人
菜根を咬み得ば
百事做すべし」
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