めいよ く
六七 聖賢の名誉の万世に伝はつて朽ちざるものは、
これ名誉の万世に伝はつて朽ちざるにあらざるなり。
その初めより終りに至るまで、実践する所の仁義礼
●こ
智の徳、天の春夏秋冬と只一箇なり。故に其の人死
れい が
すると雖も、其の霊春夏秋冬の気に駕し、天地の間
へん ●わす
に布充満す、而て人るる能はず、是を以て万世
か ぎ
に伝はつて朽ちざるなり。仮善偽行、而も焉んぞ此
に至らんや。
聖賢名誉之伝於万世、而不朽者、此非名誉之
伝於万世而不朽也、其自初至終、所実践仁
義礼智之徳、与天之春夏秋冬只一箇、故其人雖
死、其霊駕於春夏秋冬之気、布充満乎天地
間、而人不能、以是伝於万世而不朽也、
仮善偽行、而焉至於此哉、
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