● ●てんたう
六八 天もし心あつて春夏秋冬を運用せば、則ち顛倒
さくし
錯施、万世却つて生育することを得ざるなり。故に
人太虚に帰せずして、而て外に仁義を行はば、則ち
すくな ●
亦た復た然らん。其の害を受くる者鮮からず。荘子
そし
仁義を毀るにあらず、其の毀る所は、私心あつて之
を行ふ者に在るなり。豈不可と謂はんや。
天如有心而運用春夏秋冬、則顛倒錯施、万生却
不得生育也、故人不帰乎太虚、而外行仁義
則亦復然、其受害者不鮮矣、荘子非毀仁義、
其所毀、在於有私心而行之者也、豈謂不可
哉、
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●心。私心をい
ふ。
●顛倒錯施。逆
になり、間違ふ。
●荘子。老子と
並べて老荘と称
す、其の著荘子
中に、盛に仁義
を謗る。
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