六九 問ふ、太虚に帰して後に仁義を為すと云ふ。則
ち未だ太虚に帰せざる者、仁義を為さずして可なる
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や。曰く、未だ太虚に帰せざる者も、自ら欺かずし
● こゝろよ くふう とほ ひる
て自ら謙くし、誠意の功夫、動に徹り静に徹り、昼
に徹り夜に徹り、終始一なれば、便ちこれ仁義を為
●けう
すの道にして、而て太虚に帰するの竅なり。故に未
だ太虚に帰せざる者と雖も、仁義何ぞ為さざるべけ
んや。
問、帰 乎太虚 而後為 仁義 云、則未 帰 乎太虚
者、不 為 仁義 而可耶、曰、未 帰 乎太虚 者、
不 自欺 自謙、誠意之功夫、徹 動徹 静、徹 昼
徹 夜、終始一焉、便是為 仁義 之道、而帰 乎太
虚 之竅也、故雖 未 帰 乎太虚 者 、仁義何可
不 為也哉、
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●大学に「意を
誠にすとは自ら
欺くなきなり」
とあり。
●謙は慊に同じ、
自ら満足するこ
と、大学に見ゆ。
●竅。要穴の意。
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