山田準『洗心洞箚記』(本文)6 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.23

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『洗心洞箚記』 (本文)

その6

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

         顔子の屡々空しきは、心屡々太虚に帰するなり。     なほ そく   而も猶一息あり。聖人は則ち始に徹り、終に徹る。   いちたいきよ   一太虚のみ。    顔子屡空、心屡帰乎太虚、而猶有一息、    聖人則徹始徹終、一太虚而已矣、     おうしう                      か  日用応酬の間、仁義礼智信、五者一を欠けば、則    じんげんじんかう   ち人言人行に非ざるなり。人言人行に非ずんば、     うべ                則ち宜なるかな、人に攻められ、又た人を攻むる   こと。    日用応酬之間、仁義礼智信、五者欠一焉、則    非人言人行也、非人言人行、則宣乎、攻    於人、又攻人、   えいけつ             もと    かふく  英傑大事に当つては、固より禍福生死を忘る。而     たま\/               まど   て事 適 成れば、則ち亦た或は禍福生死に惑ふ。   学問精熟の君子に至ては則ち一なり。    英傑当大事、固忘禍福生死、而事適成、則    亦或惑禍福生死矣、至学問精熟之君子則一    也、



●論語先進篇に
出づ、空の字、
普通貧空と説く、
こゝは霊空と見
る。

●一息。僅か一
呼吸の相違。





応酬。応接行
事。

人に非難せら
る。

自己を反省せ
ず、人を非難す
る。










気弛み慾生ず
るを以て。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その5/その7

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