●けいうんめいらいせいふうわき しやう
八〇 慶雲鳴雷凄風和気は、皆これ太虚の象にして、
而て常に有らず。然れども時あつて出づ。喜怒哀楽
は、皆これ人心の情にして、而て常にあらず。然れ
すなは
ども時あつて起る。故に喜怒哀楽は、便ちこれ天の
慶雲鳴雷凄風和気にして、而て慶雲鳴雷凄風和気は、
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便ちこれ人の喜怒哀楽なり。元と是れ不二なり。然
り而て人太虚に帰せずして、而て喜怒哀楽、情に任
きめつ うしな ほろ
せ起滅すれば、則ち徳を亡ひ、身を喪ぼすの基なり。
どく
故に君子は独を慎み、太虚に帰せんことを惟だ是れ
これ務む。是を以て喜怒哀楽の境に当りて、尤も忍
んで軽々しく起さず。吾れの如き者は則ち之に反す、
宜しく慎むべきなり。
慶雲鳴雷凄風和気、皆是太虚之象、而不常有、
然有時出焉、喜怒哀楽、皆是人心之情、而不常
有、然有時起焉、故喜怒哀楽、便是天之慶雲鳴
雷凄風和気、而慶雲鳴雷凄風和気、便是人之喜怒
哀楽也、元是不二矣、然而人不帰乎太虚、而喜
怒哀楽、任情起減、則亡徳喪身之基也、故君子
慎独帰乎太虚、惟是之務、是以当喜怒哀楽之
境、尤忍而不軽起焉、如吾者則反之、宜慎
也、
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●慶雲。めでた
い雲。
●元是不二。天
人合一の見地よ
りいふ。
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