山田準『洗心洞箚記』(本文)63 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.7.11

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『洗心洞箚記』 (本文)

その63

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

      うつ                かう 八一 恕りを遷さず、過を弐たびせざるは、学者の效  はう              法する所。然れども己に克の苦功を用ひずして、而                      じうだ  て怒りを遷さず、過を弐たびせざるは、則ち柔惰振                  おほ  ひ  かざ  はざるの士にあらずんば、必ず奸を掩ひ非を飾る者  なり。   不怒、不過、学者所效法、然不   己之苦功、而不怒、不過、則非柔惰不   振之士、必掩奸飾非者也、                    せいさん 八二 太虚の理を知らず、而て草木の花を精算し、又    ずゐ るせき       さい  其の蕊を縷析し、玉石の文を細看し、又た其の理を  せん  繊別す。便ちこれ日も亦た足らず、勢して功なし。    学のこれに類するものあり、知らざるべからざるな              れいとく  り。もし亦た太虚の理を、了得せば、則ち万物皆其         ずゐ  の中に在り、花蕊文理なるものは、其の陶鋳の然ら               るせき         せん  しむる所なり。故に精算と縷析と、細看と繊別とは、  労せずして其の效を見ん。   不太虚之理、而精算草木之花、又縷析其   蕊、細看玉石之文、又繊別其理、便是日赤不   足、労而無功、有学之類此者、不知也、   如亦了得太虚之理、則万物皆在其中矣、花蕊   文理也者、其陶鋳之所使然也、故精算与縷析、   細看与繊別、不労而見其效矣、


孔子が顔回を
称揚せし語、論
語雍也篇に見ゆ。

效法。ならひ、
のつとる。

苦功。苦心の
手段。












精算。精密に
計算すること。

縷析。筋を別
ち。分析するこ
と。

学。博渉考索
の学。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その62/その64

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