● うつ ●かう
八一 恕りを遷さず、過を弐たびせざるは、学者の效
はう ●
法する所。然れども己に克の苦功を用ひずして、而
じうだ
て怒りを遷さず、過を弐たびせざるは、則ち柔惰振
おほ ひ かざ
はざるの士にあらずんば、必ず奸を掩ひ非を飾る者
なり。
不遷怒、不弐過、学者所效法、然不用克
己之苦功、而不遷怒、不弐過、則非柔惰不
振之士、必掩奸飾非者也、
●せいさん
八二 太虚の理を知らず、而て草木の花を精算し、又
ずゐ ●るせき さい
其の蕊を縷析し、玉石の文を細看し、又た其の理を
せん
繊別す。便ちこれ日も亦た足らず、勢して功なし。
●
学のこれに類するものあり、知らざるべからざるな
れいとく
り。もし亦た太虚の理を、了得せば、則ち万物皆其
ずゐ
の中に在り、花蕊文理なるものは、其の陶鋳の然ら
るせき せん
しむる所なり。故に精算と縷析と、細看と繊別とは、
労せずして其の效を見ん。
不知太虚之理、而精算草木之花、又縷析其
蕊、細看玉石之文、又繊別其理、便是日赤不
足、労而無功、有学之類此者、不可不知也、
如亦了得太虚之理、則万物皆在其中矣、花蕊
文理也者、其陶鋳之所使然也、故精算与縷析、
細看与繊別、不労而見其效矣、
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●孔子が顔回を
称揚せし語、論
語雍也篇に見ゆ。
●效法。ならひ、
のつとる。
●苦功。苦心の
手段。
●精算。精密に
計算すること。
●縷析。筋を別
ち。分析するこ
と。
●学。博渉考索
の学。
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