山田準『洗心洞箚記』(本文)67 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.9.24

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『洗心洞箚記』 (本文)

その67

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

                     へいがい 八七 孔氏の畜狗死す。子貢をして之を埋むるに敝葢               がい       せき  を以てせしむ。而も貧くして葢なし、乃ち之に席を  あた       こうべ  おちい            予へ、その首をして陥らしむる毋らしむ。これ小を  語れば天下よく破るなき所以なり。而て聖人畜を埋         ぼくれい       たんぼく  むるに於てや、僕隷を使はずして高弟端木氏を使ふ、  甚だ重きに過ぐるに似たり。吾れ嘗て之を疑ふ。乃                  つか  ち家犬死するに因つて始めて高弟を使ふの重からざ    さと     あゝ  るを覚れり。吁。   孔氏之畜狗死、使子貢埋之以敝葢、而貧無葢、   乃予之席、毋使其首陥焉、此所以語小天下   莫能破焉也、而聖人於畜也、不使僕隷、   而使高弟端木氏、似甚過重矣、吾嘗疑之、乃   因家犬死、而始覚使高弟之不重矣、吁、


畜狗。此事礼
記檀弓下篇に出
づ。畜狗は飼ひ
犬。

敝葢。破れた
車の葢(かさ)。

席。むしろ。

陥。土に落ち
込む。

中庸の語、微
細の事に行き渡
る意。

端木。子貢の
姓。

家犬。中斎の
家狗。


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