● ●へいがい
八七 孔氏の畜狗死す。子貢をして之を埋むるに敝葢
がい ●せき
を以てせしむ。而も貧くして葢なし、乃ち之に席を
あた こうべ ●おちい ●
予へ、その首をして陥らしむる毋らしむ。これ小を
語れば天下よく破るなき所以なり。而て聖人畜を埋
ぼくれい ●たんぼく
むるに於てや、僕隷を使はずして高弟端木氏を使ふ、
甚だ重きに過ぐるに似たり。吾れ嘗て之を疑ふ。乃
● つか
ち家犬死するに因つて始めて高弟を使ふの重からざ
さと あゝ
るを覚れり。吁。
孔氏之畜狗死、使 子貢埋 之以 敝葢 、而貧無 葢、
乃予 之席 、毋 使 其首陥 焉、此所 以語 小天下
莫 能破 焉也、而聖人於 埋 畜也、不 使 僕隷 、
而使 高弟端木氏 、似 甚過 重矣、吾嘗疑 之、乃
因 家犬死 、而始覚 使 高弟 之不 重矣、吁、
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●畜狗。此事礼
記檀弓下篇に出
づ。畜狗は飼ひ
犬。
●敝葢。破れた
車の葢(かさ)。
●席。むしろ。
●陥。土に落ち
込む。
●中庸の語、微
細の事に行き渡
る意。
●端木。子貢の
姓。
●家犬。中斎の
家狗。
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