●ていうん
一〇一 良知の底薀を語れば、人以て難に苦しむ。良
● あなど
知の発見を語れば、人以て易きを慢る。易きを慢る
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者は、其の誤りや、情識を以て良知と為すに至る。
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難きに苦しむ者は、其の阻や、気質を以て謙譲と為
おこ
すに至る。是れ聖学の世に興らざる所以なり。
語良知之底薀、人以苦難、語良知之発見、人
以慢易、慢易者、其誤也、至於以情織為良
知、苦難者、其阻也、至於以気質為謙譲、
是所以聖学之不興於世也矣、
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●底薀。奥底。
●発見。所行の
上に就いて。
●情識。情念知
識。
●阻。阻難の阻
にして、間違ひ
の意。
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