山田準『洗心洞箚記』(本文)8 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.25

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『洗心洞箚記』 (本文)

その8

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

     うるほ           ひんぶつ  じゆんたく 一二 之を潤すに風雨を以てす、故に品物其の潤沢を    と                   へき てつ        資りて生長す。然れども人壁を撤し屋を去り、露    ざろしん                     そこな        や   坐露寝すれば、則ち必ず之が為に傷はれ、而て病          すくな   みて死せざる者鮮し。書を読むも亦た然り。書は              固より道に入るの具なり。然れども要を知らずし    はん                やぶ     しよく  あゝ   て泛観博覧すれば、則ち徳壊れて悪殖す、吁亦た   おのれ              つゝし   己を敗り世を乱さん。慎まざるべけんや。    潤之以風雨、故品物資其潤沢而生長、然人    撤壁去屋、露坐露寝、則必為之 所傷、而    病不死者鮮、読書亦然、書固入道之具也、    然不要而泛観博覧、則徳壊而悪殖、吁、亦    敗己乱世、可慎哉、



品物。万物

●撤。壁を取り
去る。

露。野宿の義。



泛観。泛は汎
に同じ、不得要
領に広く読みさ
らす。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その7/その9

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