うるほ ●ひんぶつ じゆんたく
一二 之を潤すに風雨を以てす、故に品物其の潤沢を
と へき ●てつ ●ろ
資りて生長す。然れども人壁を撤し屋を去り、露
ざろしん そこな や
坐露寝すれば、則ち必ず之が為に傷はれ、而て病
すくな
みて死せざる者鮮し。書を読むも亦た然り。書は
ぐ
固より道に入るの具なり。然れども要を知らずし
●はん やぶ しよく あゝ
て泛観博覧すれば、則ち徳壊れて悪殖す、吁亦た
おのれ つゝし
己を敗り世を乱さん。慎まざるべけんや。
潤之以風雨、故品物資其潤沢而生長、然人
撤壁去屋、露坐露寝、則必為之 所傷、而
病不死者鮮、読書亦然、書固入道之具也、
然不知要而泛観博覧、則徳壊而悪殖、吁、亦
敗己乱世、可不慎哉、
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●品物。万物
●撤。壁を取り
去る。
●露。野宿の義。
●泛観。泛は汎
に同じ、不得要
領に広く読みさ
らす。
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