●ふんだ ●かう
一一二 利欲紛拏の時に当つて、良知を致すを以て
がく う ぐ ちか すて
学と為す。実に迂愚に庶し。然り而て之を舎て、以
● かへ な ●
て性に復り人と為るの道なし。故に天地の為に心を
立て、万世の為に太平を開くの志ある者にあらずん
だれ かう ●えうかう
ば、孰かよく真に之を 学せんや。故に姚江の師弟
の外、未だ嘗て其の人を見ざるなり、
当 利欲紛拏之時 、以 致 良知 為 学 、実庶 乎
迂愚 、然而舎 之以無 復 性為 人之道 、故非 有
為 天地 立 心、為 万世 開 太平 之志 者 、孰能
真 学之 也哉。故姚江師弟之外、未 嘗見 其人
也、
|
●紛拏。乱れ、
つかみ合う。
● 。教に同じ。
●性に復り。本
性に復る。宋儒
の唱ふる学説。
●天地云々。張
横渠の語、近思
録に見ゆ。
●姚江。玉陽明
の生地余姚県に
姚江あり、転じ
て王陽明を指す。
|