山田準『洗心洞箚記』(本文)92 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.11.5

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『洗心洞箚記』 (本文)

その92

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

           めと           けい  の 一一六 舜が告げずして娶る等の義は、経に載する所          いうよく  と雖も、初学及び有欲の輩、之を講ぜずして可なり。          恐らくは之を仮つて身を誤る者あらん。然れども、  心太虚に帰すれば、則ち非常の事皆亦た道なるを知      さまた  る、故に妨けず。   舜不告娶等之義、雖経所載、初学及有欲之輩、   不之而可也、恐有之誤身者、然心帰乎   太虚、則知非常之事皆亦道也、故不妨、     り     しやう        うらな 一一七 履を視て祥を考ふと、これ豈占はずして其の  吉凶を断ずるにあらざらんや。故に人吉凶を知らん            きぜい  と欲すれば、則ち之を亀筮に問はずして、而て之を               かつ  ふ  良知に問うて可なり。良知は曾て履む所の是非邪正   まん  を瞞する能はず。   視履考祥、此豈非占而断其吉凶乎、故人   欲吉凶、則不之亀筮、而問之良知可   也、良知不曾所之是非邪正乎、


舜が父母の許
しを請はずして
娶りしこと、孟
子万章篇に見ゆ。

















祥は吉祥なり、
行履を視て吉凶
を考へる。易の
履の卦上九の爻
辞に見ゆ。

亀筮。亀の甲
と、筮竹とを以
てする占ひ。

瞞。瞞看、ご
まかす。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その91/その93

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