●ござう しん こゝろ
一二一 心は即ち五臓の心にして、別に心なるものあ
しん
らざるなり。其の五臓の心は僅に方一寸にして、而
うんちく ●たうぎようあん
て天理を薀蓄す。唐凝菴曰く、「性は是れ此の気の
お
極めて條理ある処に過ぎず。気を舎くの外、安んぞ
しん
性あるを得ん。心は五臓の心に過ぎず、五臓を舎く
いづく
の外、安んぞ心あるを得ん。心の妙処は方寸の虚に
を
在り、則ち性の宅る所なり」と。吾が説之と期せず
ふ
して符を同じうす。猶君子の論を俟つ。
心即五臓之心、而不別有心也者也、其五臓之
心、僅方一寸、而薀蓄天理焉、唐凝菴曰、「性
不過是此気之極有條理処、舎気之外、安得
有性、心不過五臓之心、舎五臓之外、安得
有心、心之妙処、在方寸之虚、則性之所宅
也、」吾説不与之期両同符、猶俟君子之論、
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●五臓。肺臓心
臓脾臓肝臓腎臓
をいふ。
●唐凝菴。明の
隆慶中の進士。
字は鶴徴、博学
を以て聞ゆ。
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