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「4つのタイプ分け」私見

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タイプ分けが4つにわかれるのはごく自然な結果です。つまり2つの違った側面から分類すると、2×2の4通りできます。つまり○○、○×、×○、××ですね。たとえば才色兼備とか文武両道とかいう概念がそうです。両方とも○の人、片方だけ○の人、残念ながら両方とも×の人がいますね。2次元のタイプ分けと言えます。

よく知られているコーチングの4つのタイプ分けはコーチ21独自のものです。

自己主張が強くて感情が出にくいのが  「コントローラー」
自己主張が強くて感情が出やすいのが  「プロモーター」
自己主張が弱くて感情が出にくいのが  「アナライザー」
自己主張が弱くて感情が出やすいのが  「サポーター」

なんだそうです。

典型的特徴とされるのは:

・コントローラー・タイプ
行動的で、自分が思った通りに物事を進めることを好む。過程よりも結果重視。物言いは単刀直入。ペースが速い。こわおもて。他人から指示されることが何よりも嫌い。

・プロモーター・タイプ
オリジナルなアイデアを大切にし、人と活気あることをするのを好む。自発的でテンションが高い。楽しさこそが人生。新しいことを立ち上げるのは得意だが、あきっぽい。細かいことはあまり気に留めない。

・アナライザー・タイプ
行動の前に多くの情報を集め、分析し、計画を立てる。物事を客観的に捉えるのが得意。完全主義的なところがあり、ミスを嫌う。人との関わりは慎重で、感情はあまり出さない。

・サポーター・タイプ
人を援助することを好み、協力関係を大事にする。人の機微に敏感で気配りに長ける。ノーと言えない。自分の感情は抑えがち。人から認めてもらいたいという欲求が強い。

戦国武将に当てはめると:
・コントローラー 織田信長
・プロモーター  豊臣秀吉
・アナライザー  徳川家康 明智光秀 石田三成 竹中半兵衛
・サポーター   山内一豊


といったところでしょうか。

たとえば秀吉は典型的なプロモーターではないと思われます。典型的プロモーターは細かい計画を立てるのが苦手とされますが、秀吉は計画においては周到緻密でありました。結局誰しも4つのタイプすべてを持ち合わせているが、一番強く出ている特徴をもって敢えてタイプ分けしているのが実情でしょう。

タイプ分けをすると、行動パターンはある程度予想できるため、話の持っていき方の戦略が立てやすい、とされます。ただし予想できなかった行動パターンに対しては都度対応しなければなりません。以上の理由からタイプ分けは経済予測同様の「講釈」であると言えます。「講釈」であっても「わかった気分になれる」人間理解のツールとして意義深いものではあります。

タイプが4通りあれば、2つ以上のタイプが拮抗しているケースが何通りも考えられます。チェックシートを使って自己採点した人が、自分は「コントローラー・サポーターです」とか「プロモーター・アナライザーです」と言っているのを聞いたことがあります。はなはだしいのは「プロモーターとサポーターとアナライザーが同じくらいなんです」というのもありました。

この全く相反するタイプが拮抗したタイプをどう考えるべきか、理解に苦しみます。相反する要素をバランスよく持っていると言えないこともないですが、話が単に複雑になっているだけ、という気がします。矛盾する要素を持っていても一言で明快にラベルを貼ってこそタイプ分け、と言えるでしょう。したがって個人的にはチェックシートで採点するやり方を買っていません。

タイプ分けは初対面で判定可能な場合と、なかなか分かりづらい場合があります。また本人に訊いてみるとまるで違う場合もあります。この「なかなか分かりづらい」とか「まるで違う」場合は無理にタイプ分けしても、さして意味がないように思われます。そういうこともあって、私個人は4つのタイプ分けをあまり使いません。

私が実際に使っているのは自己流の3つのタイプ分けです。これはハト派・タカ派・中間派の3つで分類するものですが、○、×、△の単純な1次元のタイプ分けなので、まず外れません。ご参考までにご覧ください。

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 2003 Yoshiaki Sugimoto