大塩平八郎伝云　曾テ紀州及ビ岸和田二藩ノ間経界ノ争議アリ、以テ大坂ニ訴フ、事数年ニ及ンデ渋滞決セズ、盖シ紀州ノ幕府ノ親藩ニ係リ権勢比ナシ、東庁ノ当案者頗ル之ヲ憚ル、故ヲ以テ其ノ判決ニ苦シメルナリ、遂ニ転ジテ平八郎之ニ当ル、審査未ダ朞月ニ及バズ、之ヲ裁シテ非分紀藩ニアリト為シ、岸和田藩ノ勝訴ニ帰ス、人其ノ公平ヲ称ス。

按ズルニ以上ノ諸説、皆高井山城守先生任用ノ後ニ繋ク。盖シ吟味役ノ職司ニ係ルベキヲ以テナリ、只伝説年紀ノ徴スベキナシ、果シテ前後ノ如何ヲ知ラズ、暫ク茲ニ繋ク、若夫事実ノ真假如何ニ至テハ公正廉直憚ラザル伝説ヲ証スベキ左券多シ、左ノ如キ又其ノ一例也。

此肴を播摩(磨)屋利八と申ものより、此方留守中持参さし置帰候、不埓之事に候へ共、不弁故之儀と被推候間、丁内へさし戻し遣候、今後心得違無之様申渡し置可申、此度者内分にて右様取計遣し候事。

　　　　　　　　　　　　　　　大塩平八郎
　　　御池通四丁目年寄へ

夏六月和勢紀濃城洪水（和漢）
去年中山愛親公薨
○海辺測量図成（新撰）
畿内東海大水
○朝鮮餓う米一万苞を以て之に賜ふ
○第三月廿日奈翁エルバ島を逃れて巴里に入る。勝たず再び捕はれセントヘレナに流竄す
○神聖同盟成る（万国）