Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.10.26

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『演劇脚本大汐噂聞書』
その19

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

四幕目 天満天神前の場 同大塩屋敷の場 千日前法善寺前の場 (1)

管理人註
  

     役人替名   一 宇津木矩之丞   一 古手屋喜助   一 大塩格之助    一 五人組作兵衛   一 杉山三平     一 娘お雪   一 近藤梶五郎    一 祈祷医者吉之助   一 萩原弥四郎      実は幻の吉五郎   一 清水善之丞      本名伊藤伊予之助    一 百姓忠兵衛    一 大塩平八郎   一 下女お律     一 仕出し大勢   一 娘お次      一 四ケ所大勢   一 奥方お勇   造物 平舞台 真中に石の鳥居 此後ろ門の飾附 上下筋塀   下手に茶店 小山屋と書たる暖簾を掛け、都て天満宮門前の飾附け   宮神楽にて幕開く  〔ト 仕出し三四人出て、捨台詞にて這入ると、向ふより三平、読売の   形りにて出て 三 平 アヽモウ、トント草臥た、向ふの床机で一服やらかして行うかい  〔ト 居直る、門の内より梶五郎、紙屑買の拵らへにて出て 梶五郎 ヲヽ、三平ではないか 三 平 梶五郎様 梶五郎 シテ今日はどの辺を徘徊致した 三 平 私はお旦那の言附けにて、今宮、木津、難波、道頓堀から天王寺    村辺を尋ね升たれども、手掛りが厶り升せぬ 梶五郎 某は福島、安治川、曾根崎村迄尋ねても、皆暮相分らぬ 三 平 イヤモウ、大胆不敵な奴で厶り升る、夫に附て、先達て御閉門の    旦那様のお身の其元は、下々の者共施行せんとの思立より起りし事 梶五郎 如何にも様子を聞けば、下々を救はん為、大塩殿が施行被成るゝ    との事、有難い、おろそかに受けるなと取々の噂さ、然るに此程よ    り某を始め、済之助殿、淵次郎殿、格之助殿同道にて、鴻池、三井、    岩城、米平迄も金子調達の義、申入たる所、追て御返答との義 三 平 其義は承つて居れば、屋敷へ帰つてお旦那に談合の上、返答を聞    切て帰らん所存 梶五郎 成程、拙者も同道して、先生の屋敷へ参り、何角の談合 三 平 然らば一所に○  〔ト 行かけて傍りを見廻し、書物を出し 三 平 兼ての一義と  〔ト 投捨る 梶五郎 そんなら読売屋 三 平 てん買殿 梶五郎 サア厶んせ  〔ト 両人向ふへ這入る、門の内より忠兵衛出て 忠兵衛 イヤモウ、何時参詣をしても天神様は賑やかな事じや、夫はさう    と、孫七が話しには、千日前に妙な祈祷をして、どんな病気でも即    座に治す人があるとの事、私も此疝気を治して欲しいものじやが、    明日は尋ねて往て見やう○  〔ト 書物を拾ふて 忠兵衛 何じや、手紙が落てある○  〔ト 披き見て 忠兵衛 コリヤむつかしい手紙じや、百姓づれでは、とんと読めぬが、落    した人に返して進せ度いものじやなア

大塩噂聞書」
(摘要)































形(な)り

















厶(ござ)り


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その18/その20

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