Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.11.1

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「大塩の乱関係論文集」目次


『演劇脚本大汐噂聞書』
その25

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

四幕目 天満天神前の場 同大塩屋敷の場 千日前法善寺前の場 (7)

管理人註
  

 〔ト 下手より男、弓張提灯を持ち出て来り    ハイ、御免被成升せ○ヲヽ御寮人様、最前からお袋様がお案じ被    成てゞ厶り升、早うお帰り被成升せ○先生、毎度お喧しう厶り升 吉五郎 ヲヽ是は糸店のお若衆、マアお這入り被成升せ    ヘイ有難う厶り升、サア参り升せう お 雪 作用なれば吉之助様 吉五郎 お雪殿    サアお出被成升せ お 雪 エヽ、世話しない、今行くわいのう  〔ト 下手へ這入る 両 人 ハヽヽヽ 吉五郎 喜助殿、飛だものが参つて、嘸御迷惑で厶つたらう、モウ一献過    して下され 喜 助 イエ/\大に酩酊致し升た○  〔ト 向ふにて按摩笛を吹く 喜 助 モシ先生、按摩が参つた様で厶り升 吉五郎 夫は幸ひ、憚りながら呼んで下され 喜 助 畏り升た○  〔ト 門口へ出て 喜 助 ヲヽイ、按摩さん/\  〔ト 向ふより格之助出て 格之助 ハイ、お療治で厶り升るかな 喜 助 知れた事じやわいのう○按州はお目くじやの 格之助 ハイ目が不自由で困り升る 吉五郎 サアやつて下され 格之助 ハイ/\○コリヤきつう凝ており升るなア 喜 助 時に先生、何時ぞはお尋申升せうと存じており升たが、アノ病人    衆に頂かしておやり被成升るお守り様は、ありや神様で厶り升るかな 吉五郎 ありや、おれが先祖から伝わつてある、アノそれヲヽ摩利支天の    尊像じや 喜 助 左様で厶り升るかな

大塩噂聞書」
(摘要)






厶(ござ)り


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その24/その26

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