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造物 高二重にて家根の飾附け
後ろ一面の家根の遠見
家根の真中に吉五郎居る、捕手大勢囲んで居る、早太鼓にて浅黄幕を
落す
〔ト 皆々ヤア/\にて、色々面白き立廻りあつて、能き所にて返し
造物 奥に千日前法善寺門前、江戸鉄釜むしや床 竹のかゝり
どん/\早太鼓にて道具納る
〔ト 仕出し大勢、棒抔持て出て、わや/\いふて上下へ這入る、上手
より吉五郎、以前の捕手を相手に出て来り、梯子、棒、家根の瓦を使
ひ、面白き事あつて皆々追込む、返し
〔ト 浅黄幕になる、どん/\早太鼓にて、つなぎ道具出来次第落す
造物 遠見 道頓堀芝居茶屋の体、上より下へ太左衛門橋、上手石か
けはね釣瓶、煙出し、どん/\早太鼓、一セイにて宜しく道具納る
〔ト 上手より大勢を相手に吉五郎出て来り、色々立廻りあつて、茶船
一艘、下手より出て下寄りにすはる、トヾ吉五郎、皆々を追込み行か
ける、本鉄炮の音して吉五郎の背中に当りし心にて、苦しむ事あつて、
勾欄を小楯に血を吐く、能程に捕手一人出て、後ろより羽かひじめに
するを身をかはす、捕手、川へ返り込む、吉五郎、宜しくこなしが木
の頭、鳴物にて此引張り宜しく幕
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「大塩噂聞書」
(摘要)
釣瓶
(つるべ)
トヾ
よろめく様?
勾欄
高欄
木の頭
(きのかしら)
幕切れの台詞や
動作のきまりに
合わせて打つ拍
子木の最初の音
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