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役人替名
一 宇津木矩之丞 一 下女お律
一 大塩格之助幸綱 一 八田又兵衛
一 瀬田済之助 一 高橋佐左衛門
一 杉山三平 一 萩原弥四郎
一 小泉淵次郎 一 坂本 之助
一 庄司儀左衛門 一 清水善之助
一 近藤梶五郎 一 平山助次郎
一 渡辺良左衛門 一 跡部山城守
一 木村司馬之助 一 大塩平八郎
一 梅田源左衛門 一 捕手大勢
一 娘お次 一 大塩方諸士惣出
一 奥方お勇 竹本連中
造物 二重襖 通り 小摸様の唐紙
上手 障子 家体
下手 屋敷塀 此前に大半切桶五つ程並らべて、是に米沢山入れ、此
前高札に○
一 近年打続米穀高直に附、困窮人多くある由、大塩平八郎一分にて、
兼てより所持致す書籍残らず売払ひ、其代金を以て施行致し候間、
困窮の家都合一万軒へ、金一朱づゝ遣し候間、早く参るべき者也○
と書き立あり、例の所に代官門あり、二重にお勇、三宝に神酒、徳
利を乗せ、口紙を挿し、此傍にお次、三宝に洗米を乗せ、門の外に
三平、お律、施行をして居る誂らへの鳴物にて幕開く
お 律 三平殿、モウ大方になりさうなものじやないかいなア
三 平 さうだ、何時迄やつても切りのない事だなア
お 勇 モウ今日は止めにして休息したがよいわいのう
三 平 ヘイ/\左様致し升せう
〔ト 向ふより矩之丞出て居直り
矩之丞 お頼み申/\
お 律 ハイ/\、どなたて様で厶り升る
矩之丞 宇津木矩之丞で厶り升る
三 平 奥様、矩之丞様のお越しで厶り升る
お 勇 是は/\、矩之丞様も能うこそお越し被成升た、先々是へ
矩之丞 然らば御免下され○某、先年御師匠の御暇を乞受けてより、四国
九州を遍歴仕り、東国に趣むかんと一昨日帰国致せし所、先生には
御閉門の由、先御子息格之助殿に子細承り、其上にて師に対面と、
当お屋敷へ参つて見れば、奥方始め御息女迄此所にお越しあるは合
点参らず、シテ師には如何遊ばし召されしぞ
お 勇 左ればで厶り升る、此度不図した事より我夫の御閉門、屋敷に於
て施しも如何と存せられ、今日施行の其内に、我夫も我々も、忍び
ながら参つており升る、コレお次、其方の言号の矩之丞様のお越し、
嘸嬉しからうのう
矩之丞 スリヤお師匠様にも此お屋敷に
お 勇 左様で厶り升る○コレ娘○コレ娘といふに
お 次 ハイ
お 勇 矩之丞様お出の事を我夫へ
お 次 畏り升た
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「大塩噂聞書」
(摘要)
大塩施行札
誂(あつら)らへ
厶(ござ)り
言号
(いいなずけ)
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