Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.11.11

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「大塩の乱関係論文集」目次


『演劇脚本大汐噂聞書』
その35

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

六幕目 平山助次郎変心の場 東町奉行所の場 天満大塩平八郎居間の場 今橋鴻池焼討の場 (4)

管理人註
  

  造物 二重襖 通り 金襖 大欄間 都て大広間の飾附け   誂らへの鳴物にて道具留る   向ふにて平山助次郎、出仕  〔ト 之助、又兵衛、佐左衛門、弥四郎、善左衛門、手雪洞を持て出   て 之助 合点の行かぬ、平山が夜中の出勤、ソレ何れも 四 人 心得升た  〔ト 花道へ行く、向ふより助次郎出る 之助 平山助次郎、夜中の出仕、合点が行かぬ 弥四郎 胡論な義ならば、我々が 善左衛門 召捕て糺明致す 之助 サア返答は 五 人 何と/\  〔ト 奥にて 山城守 ヤレ待て、方々、聊爾召されな○  〔ト 出て来り 山城守 助次郎、近う/\ 助次郎 ハアヽ  〔ト 皆々居直る 山城守 如何に助次郎、夜中の出仕、子細ぞあらん、包まず申せ、何と/\ 助次郎 ハアヽ、恐れながら、某義、夜中の出仕も打捨置れぬ一大事故 山城守 何一大事とは 助次郎 則此品  〔ト 願書を出す、山城守、披き見て 山城守 ヤヽ、大塩始め此連名の者共が逆心の企とな 之助 シテ/\子細はナヽ 五 人 何と 助次郎 其逆意の根本は  〔ト 刀を腹へ突込む 山城守 コリヤ、何故の此切腹 又兵衛 血迷ふたるか 五 人 助次郎 助次郎 イヤ血迷ふ抔とは愚か/\○我一旦の義によつて、平八殿の大義    に加はりしが、救民施行の為とは偽り、誠は天下の討手を引受け、    亡主の恨みを散ぜん手立と承つて、拙者が後悔、夫故にこそ、誓を    破り、夜中に出仕致せしは、国の為めなり、民の為、又切腹は大塩    殿へ変心なしたる申訳 山城守 ホヽウ、遖れ出かした、助次郎、其方が変心は、誠に国の礎なり 弥四郎 此上は堀公へ申上げ、人数の手配り、召捕る用意 山城守 いふにや及ぶ、ソレ之助 之助 心得升た  〔ト 向ふへ走り這入る

大塩噂聞書」
(摘要)

誂(あつ)らへ



























聊爾
(りょうじ)
失礼なこと、
ぶしつけな
こと、軽は
ずみなこと



















































遖(あっぱ)れ


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その34/その36

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