Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.11.12

玄関へ

「大塩の乱関係論文集」目次


『演劇脚本大汐噂聞書』
その36

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

六幕目 平山助次郎変心の場 東町奉行所の場 天満大塩平八郎居間の場 今橋鴻池焼討の場 (5)

管理人註
  

山城守 佐左衛門には淵次郎、済之助両人をコレ  〔ト  佐左衛門 委細畏つて厶り升る  〔ト 下手へ這入る 山城守 助次郎、心置きなく成仏致せ 助次郎 イザ又兵衛殿、御介錯 又兵衛 心得た  〔ト 首を討 山城守 あたら若木を○ソレ死骸取退け  〔ト 二人、死骸を片附け、又兵衛、白衣に首を包み、山城守の前へ置   く、下手にて 佐左衛門 サヽお越し被成  〔ト 佐左衛門、済之助、淵次郎出て 済之助 ハアヽ、思ひ掛けなき夜中の御用 淵次郎 取る物も取敢へず 済之助 出仕仕つて 両 人 厶り升る 山城守 火急の出仕、大義/\、其方共へ討手の役を申附るぞ 両 人 何討手とは 山城守 斯る治世に、君恩を忘れ、反逆企つ大塩平八郎 両 人 何と御意被成升るぞ 山城守 彼に加担の瀬田済之助、小泉淵次郎、ソレ召捕 弥四郎 ハヽア、両人共に 四 人 縄かゝれ 済之助 こは思ひ寄らざる其お詞、元より大塩平八郎、軍学の師なれども、    逆意のあるべき様は厶らぬ 淵次郎 殊に以て、我々を反逆人の加担なりとは覚へなし 山城守 ヤア、いふなしれ者、反逆一味の記せし一書、確と見よ  〔ト 願書を見せる 済之助 ヤヽ、大塩平八郎始め一味の姓名 淵次郎 一々現はす此願書は 山城守 汝等一味の平山助次郎、前非を悔ひ、只今変心 両 人 何が何と 山城守 則彼が此死首 又兵衛 最早遁れぬ国賊共 弥四郎 サア尋常に 四 人 縄にかゝれ 済之助 助次郎、変心致せし上からは 淵次郎 済之助殿、御油断あるな 山城守 ソレ召捕れ 皆 々 ハアヽ  〔ト 色々立廻りあつて、皆々宜しく急度なる返し

大塩噂聞書」
(摘要)

(ささや)く

厶(ござ)り


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その35/その37

「大塩の乱関係論文集」目次

玄関へ