Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.11.25

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『演劇脚本大汐噂聞書』
その49

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

大 詰 油懸町三好屋の場 同奥座敷の場 阿波座堀捕物の場 (1)

管理人註
  

     役人替名   一 内山彦次郎    一 下役六兵衛   一 手代久七     一 女房お常   一 娘お駒      一 三好屋五郎兵衛   一 白木屋与三郎   一 大塩平八郎   一 百姓孫助     一 同 格之助   一 孫助娘お松    一 捕手大勢   一 高橋佐左衛門   一 仕出し 三人   一 雇はれのおみさ    竹本連中   一 あるきの権七   造物 二重 襖 通り 押入 納戸口 店 戸棚   下手 世話塀 真中に路次口   上手 高二重 中二階の体   例の所門口 橋掛りに更紗木綿干しあり、納戸の次の壁に注文帳、仕   入大福帳、状差抔かけあり、二重に久七、講中三人居る、鳴物にて幕   開く 久 七 いつもながら講中の貴君様方、御苦労様で厶り升る、何も上げる    物は厶り升せぬが、どうぞ奥へお通り被下升せ    さういふ事なら御遠慮なしに奥へ行升せうか 二 人 さう仕升せう  〔ト 三人這入る、橋掛りよりおみさ出て来り おみさ 申、お内には狐小紋の形は厶り升せぬかへ 久 七 ハイ、狐小紋も色々厶り升るが、爰らではどうで厶り升る おみさ 本に是がよいわいな、さうして何時頃出来升るへ 久 七 ハい、お天気さへよかつたなら、明後日出来升るで厶り升る おみさ 紺屋の明後日は久しいものじやが、更紗屋の明後日なれば違ひも    せまいな 久 七 ハテおみささんの事じやもの、やらいで何と致し升せう おみさ 久七さん、おだてゝ下さんすな、おやかましう  〔ト 下手へ這入る、引違へて、あるき、状箱を持ち出て来り 六兵衛 ハイ、廻文で厶り升る 久 七 ヲヽ六兵衛殿、何の触じやの  〔ト 箱を明けて見て 久 七 何々、此度大塩平八郎と申者、市中の難渋を助けん為、書物を売    払ひ、施行を言立て、一味をかたらひ、謀叛を工み、市中を焼立て、    乱暴を働き申候、右之者共の人相書、左之通り○    一 大塩平八郎 年齢四十五歳 一 顔長く色白き方    一 目細き方 一 鼻常体  一 耳常体  一 肉中肉    一背高き方○    一 大塩格之助 廿七歳 一 顔短く色白き方 一 背低き方    一 鼻常体 一 眼同    右之両人、見当り次第、所役人迄訴出べく候、若しかきくまい置く    に於ては従類の者迄召捕り、刑罪に行ふ者也、月日○    畏り升たが、此大塩の人相は内の旦那に能う似てある人相書じやな    ア 六兵衛 夫も町人だけで気使ひないといふものじや、ハイ左様なら  〔ト 向ふへ這入る 久 七 世には似た人もあるものじやなア

大塩噂聞書」
(摘要)
















あるき
(歩き)
庄屋などの雑用
や使い走りに使
われた者
















厶(ござ)り













































人相書


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その48/その50

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