Я[大塩の乱 資料館]Я
2007.8.18

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大 塩 平 八 郎 』 その200

幸田成友著(1873〜1954)

東亜堂書房 1910

◇禁転載◇


 余説 (5)


平八郎後素
の肖像

平八郎の肖像は得やうとて大分苦心したが、正確疑なきものは未 だ之を発見し得ぬ、恐くは無いのであらう、塩逆述巻五にある肖 像は塩賊騒乱記巻二にあるものと同一で、平服の儘の姿の上半身 を写してある、図の上部に「秋田清次曰、此図頗失其真」とあつ て、朱書に清次は「平八郎門弟ニテ只今家君何人か未詳門下ニ相 成リ書生寮ニ罷在候」とあるから、何分にも之は信用し難い、椎 の実筆巻廿三にある肖像は麻上下の半身像で、五三桐の紋を付け て居る、大塩家の定紋が丸に揚羽蝶であることは武鑑によつて明 白だ、尤も乱暴の際にしようした旗には五七の桐の紋をつけたが 之は乱暴の際だけ用ゐたか、縦令左様でなくとも替紋であつて、 麻上下に付けるは不当と思はれる、従つて此肖像も信じ難い、又 富岡鉄斎翁の手許に菊地容斎の書いた平八郎の肖像といふものが ある、併し之とてもその伝来は一切不明といへば容易に信じ難い。


「大塩平八郎」その54
『塩逆述』巻之五 その31


「大塩平八郎」目次5/ その199/その201

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