Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.2.27

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「大塩の乱関係論文集」目次


『江戸と大阪』
その2

幸田成友著(1873〜1954)

冨山房 1942 増補版

◇禁転載◇


 緒 言管理人註

  緒 言  自分は大正十三年度以来東京商科大学において「日本経済 史」の講義を担任した。自分の研究のためと学生諸君の聴講 の便とを併せ慮つて、毎年新しい講義案を作つたので、今日 ではそれが相応の分量に達した。これを整理して追々出版し たい考は以前からあつたが、毎年新講義案の作製に逐はれて、 旧稿の訂正に手を着ける暇を得なかつた。  自分の希望と現状とに同情せられた商学士津田礼次郎氏は、 自分の第一回の講義案「江戸と大阪」との整理及び清書を申 込まれた。同君は在学中この講義を聴講せられた一人である から、その仕事にとつて最適任者であることはいふまでもな い。かくて出来上つた清書に対し、自分は昨年の夏季休暇中 から訂正に取掛つた所、あまりに加除増減が多かつたため、 折角の清書も印刷用原稿として使用に堪へざる程になつたの で、商学士増田四郎氏を煩はし、再びそれを浄書して印刷所 へ廻すこととした。  「江戸と大阪」は、自分が商科大学に於ける最初の講義で あり、また最後の講義である。大正十三年度に一回講演した まゝで二度と繰返したことは無い。従つて自分にとつて少か らざる思出を伴ふこの講義案が、津田増田両学士の尽力によ つて一冊の本に纏つたと思へば、両氏に対する感謝の念は禁 じ難い。剰へ、津田学土が本書の印刷校正及び索引編纂を担 任せられたのは重々感謝に堪へぬ次第である。    昭和九年八月                 幸田成友

  


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