Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.4.7/4.8修正

玄関へ

「大塩の乱関係論文集」目次


『江戸と大阪』
その24

幸田成友著(1873〜1954)

冨山房 1942 増補版

◇禁転載◇


 第二 市 制 (4)管理人註

江戸の役附 大阪の役附 三廻リ 越後屋・大 丸・白木の 売上高

   江戸の役附(文化四年万世江戸町鑑による)  年番 詮議役 籾蔵掛 本所改役 養生所見廻役  町々高積改役 牢屋見廻役 町火消改役 江戸御橋懸   以上与力同心共  定廻 臨時廻 以上同心のみ    大阪の役附(文化十年役人鑑による)  寺社役 地方役 川役 御金役・鉄砲役・糸割符 御石   御蔵目附 小買物 極印役 御普請 塩噌 火事役牢扶持  盗賊役 遠国役 流人役 諸御用調役 勘定役 吟味役  唐物取締定役 定町廻 以上与力同心共  支配 闕所 牢扶持 流人役 目附 目安役並証文役  以上与力のみ  組頭 筆頭 書役 牢屋敷取締役 同預詰合役 町目附  以上同心のみ 以上の役々につき、役名を一見したゞけで担任の仕事の分るのも あれば、さうでないのもある。例へば、江戸の高積改役といふの は往来や河岸端に高く積んである薪炭を見廻る、つまり道路の保 安係で、これなどは分り悪い。大阪には何役勤書といつてそれ\゛/ の役の勤書がある、江戸にもありさうなものですが、まだ見出し ません。  江戸の定廻臨時廻、それにもう一つ隠密廻を加へて三廻と いふ。いづれも同心です。三廻の仕事は「捕者并調もの」とい ひますから、盗賊の逮捕并に探索を主とする。或点では火附盗賊 改廻の者の仕事と重複し、民間では随分迷惑したらしい。それ は兎に角天保改革時代に三廻就中隠密廻が差出した報告書を見 ると、随分微細に立入つて驚くべきものがある。呉服商越後屋 (三井)・大丸(下村)・白木の天保十二年六月分の店売上高を 去年六月の売上高と比較して報告した如きがその一例です。
天保十一年六月天保十二年六月 減 高  居 所    屋 号 名 前
一一、六六六両余
 三、五〇〇両程
 七、六六六両余
 五、〇〇〇両程
七、〇〇〇両余
二、三三〇両余
四、八六六両余
一、三三〇両余
四、六六六両余
一、一七〇両程
二、八〇〇両余
三、六七〇両余
駿河町(本店)越後屋八郎右衛門
通油町(向店)越後屋八郎兵衛
通旅籠町   大丸屋庄右衛門
通一丁目   白木屋彦大郎
 【図 越後屋 略】

 


「江戸と大阪」目次/その23/その25

「大塩の乱関係論文集」目次

玄関へ