Я[大塩の乱 資料館]Я
2016.4.14

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大塩平八郎』 その15

国府犀東(1873-1950)

(偉人史叢 8)裳華書房  1896

◇禁転載◇

吏務の治績(1)

管理人註



































両方面の
調和













































析獄聴訟
の期図

  両方面の調和○析獄聴訟の期図○職権の恪守○所信の断行○孔夫子の発   強剛毅なる半面○吏務遂行の大精神○高井山城大坂町奉行となる○難を   画くに牛刀を用ふるに似たり○署中亦た滞獄なし○権勢に屈せず○清廉   自ら持す○署中風紀一変す○妖巫妖巫○妖巫を拿捕す○平八の名京畿に   震ふ○姦猾の吏を糾明す○浮屠の沙汰○高井山城守職を辞し平八亦た致   仕す○招隠を賦す○荘重静黙なる新絵巻 出でゝは、獄を析し訟を断じ、風発属、霹靂雷霆、裁決流るゝ如く、処理 乱麻を截つが如く、入つては、学を講じ道を論じ、峭厳精励、直入直覚、英 雄を驚倒し、豪傑を下瞰し、聖賢を標幟とし、道学を門戸とし、夙に一世の 木鐸、姚学の棟梁を以つて自ら任ずる渠れ平八郎は、内、之を大虚の理に質 し、良知の体に照らし、外、之を吏務の用に稽へ、訟獄の実に鑑み、精竅淵                                  ・ 玄を鉤し真に逼り、幽を聞き、霊に触れ、造謁愈深かく、省入益微なり、進 ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ むでは則はち、大坂府中に、勇敢果決の賢吏たり、退ては則はち、洗心洞裏 ・・・・・・・・・・  ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ に峭峭弱轤フ厳師たり、渠れ吏務の実際と、問学の哲理とを調和せむとする ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ に於いて、大に其の意を用いたり、渠れは此の二個の方面を調和するを以つ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ て、致知格物の本旨とし、知行合一の眼目とせり、   ●  ● ● ●  ●  聴訟吾猶人也者、周官司寇所云、五声、以之聴獄訟、求民情、聖          ○ ○  ○  ○  ○ ○  人与官吏之有才能異矣、而無情者、不其辞、大畏民志  者、民之不仁者飾以仁、不敬者飾以敬、不孝者飾以孝、不慈者飾以慈、  不信者飾以信、其余不善也者、各飾以善、而民之仁者誣以不仁、敬者  誣以不敬、孝者誣以不孝、慈者誣以不慈、信者誣以不信、其余善                        ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○  ○ ○ ○ ○  也者、皆誣以不善、此即訟端之所由起也、故聖君誠意、以明仁敬孝慈   ○ ○ ○  ○ ○ ○ ○   ○ ○  ○  ○ ○  ○ ○ ○    ○ ○ ○ ○ ○  ○ ○    ○ ○ ○ ○  信之徳而臨民焉、譬如明鏡物来、物妍安迯其照、故民先咸   ○ ○   ○  ○  ○ ○ ○  ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○    ● ● ● ●  ●  其心、不訟以尽其虚誕之辞、令大畏其心志、而有恥且格、虞  之訟於文王、是其証也、而至此則不仁者改為仁、不敬者改為敬、  不孝不慈者改為孝慈、不信者改為信、而仁者不之、敬者不之、                  ○ ○ ○ ○  ○  ○   ○ ○ ○  ○ ○ ○ ○ ○ ○  孝慈者不之、信者不之、而仁化興、此豈非聖君誠意之効  乎、決非官吏所及也、是故雖斉治平、皆以誠意本、故大学結上  文数節、重曰此謂本、其旨探矣哉、而謂本末、昔賢既駁之、其  言是也、            ●  ● ● ●  ● 平八郎は実に゛大学「聴訟吾猶人」一章の意を体認して、吟味役として之 を析獄聴訟の実務に応用したりしなり、而して截決処理の公平無私を期する       ●  ● ● ●          ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○   ○ や、自ら「有耻且格」と言ひ、切に民の自ら知り、自ら悔ひ、自ら恥ち、自 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ら格るを望めり、




























稽(かんが)へ

精竅
(せいきょう)

逼(せま)り











『洗心洞箚記』(本文)
その46




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