・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・
平八は余姚学派の継紹者として、夙に洗心洞に聖経賢伝を講し、以つて一家
・・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
塾をなし、文に武に子弟を薫陶し、同志を誘掖したりしが、吏務の余暇未だ
・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・
閑散の身ならざることなれども、其の熱心に鋭意に、斯の道の為めに力を竭
・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・
くし、精をくしたる、業已に済々たる多士、其の門に集るを見たり、
平八は文政八年乙酉の歳、其の山城守の命を承けて、妖教を糺明したる前年
の正月、洗心洞学堂の掲示ほ定めたり、曰はく
学堂西掲
入吾門学道、以忠信不欺為主本、乃記陽明先生示龍場諸生語
以掲示宜服膺。
● ● ● ●
立志 勧学
● ● ● ●
改過 責善
于時文政八乙酉正月十有四日
学堂東掲
入吾門欲為人、則要道問学以尊徳性、誌新吾先生之語後学
者以掲示、宜識察焉
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
堯舜事功孔孟学術、此八字是君子終身急務、或問、堯舜事功、孔孟学術
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
何処下手、曰、以天地万物為一体、此是孔孟学術、使天下万物各
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
得其所此是堯舜事功、総来是一個念頭、
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
脱尽気習二字是英雄、
学必相講而後明、講必相直而後尽、孔門師友、不厭窮問極言、不相
然諾承順,所謂審問明弁也、故当此時,道学大明、如撥雲披霧、
・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・ ・ ・
白日青天、無纖毫障蔽、講学須要如此、無堅自是之心、惡人
・・
相直也、
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
上吐下瀉之疾。雖日進飲食、無補於憔悴、入耳出口之学。雖
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
日事講究、無益於身心、
・・・・ ・・・ ・・・・・・・・
只人々去了我心、便是天清地寧世界、
○ ・・・ ・・・・ ・ ・ ・・・ ・ ・・ ・・・・ ・・・・ ・
自個性中来生死不変、自識見中来、則有時而変矣、故君子以識
・ ・ ・・ ・・・・ ・・ ・・ ・
見、養コ性、々々堅定、則可生可死、
|