Я[大塩の乱 資料館]Я
2016.8.17

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大塩平八郎』 その92

国府犀東(1873-1950)

(偉人史叢 8)裳華書房  1896

◇禁転載◇

社会主義実行者としての平八(1)

管理人註
陽明の理
想的国家



  陽明の理想的国家○陽明平等の観念○平等の天分と平等の権利○平八の   理想的国家は陽明と其の帰を同ふす○平八の真面目○破壊的手段○迹共   産主義者に似たり○平八を吊ふに爆裂薬を以てせよ 知行合一を説ける平八は、学術と事功と、聖賢と豪傑との、二種の観念を合 一にすること、其の畢生の目的としたるが如とし、故に其の信する所は直に 之を実行して勇往邁進亦た顧慮するところあるなし、平八は一つの実行者た りしなり、 平八が学術に於いて、太虚を理想とするが如く、事功に於ても亦た、国家社 会の組織に於いて、一つの理想を有したるが如とし、其の現実の社会を以つ                ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ て、円満なる社会と見做さず、原始淳時代に於ける社会を以つて、尤も学 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 術上の理想なる太虚に近きものとなし、平八の脳中には、夙に一つのユート ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ピアは描かれたるなり、 平八が祖述せる王陽明其の人も、夙に抜本塞源論に於いて、其のユートピア をは構成し、現実の社会を改造して、此の理想的国家に格らしめむことを以              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ つて、其の志望とはなせり、而して陽明は進むて此の理想国家に現実社会を ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 一歩たりとも近接せしめむと試み、彼の如く尽瘁し精して、竟に此の志望 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ の為めに逆境に死せり、平八亦た箇の志望を有す、故に平八も亦た現実社会 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ を改造して、彼のユートピアを現実に構成せむとは願へり、今其の抜本塞源 論に於ける陽明の理想的国家の如何なるものなるやを、こゝに示さむ、社会 主義的の観念、特に躍々として紙表に溢るるを覚ゆ、

格(いた)らしめ




















『大塩平八郎』目次/その91/その93

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